【第2回】鳴海淳義 さん(Blog @narumi)
2015.09.11
「実験を繰り返しながら、読者の必要としているものを考えていきたい」
新しいことに積極的に取り組んでいるイメージですが、昔は怖い上司や先輩のもとで徹底的に基礎を叩き込まれたそうです。
つい最近、ログミーの編集長に就任した鳴海さん。NAVERまとめで6000万を超えるPVを記録し「まとめ職人」と呼ばれたり、2013年に始めた個人ブログ「Blog @narumi」ではサラダチキンブームを生み出すなど話題の人物です。今回は鳴海さんにご経歴とメディア感、広報担当者との接点についてお話を伺いました。
大量のリリース起こしをこなした2年半
文章を書くのは元々得意だったという鳴海さんが突然、記者の仕事を始めたのは2004年秋。まったく知識のなかったインターネットに興味を抱き、その世界を知るリサーチになればと、IT系のインターネットニュースの出版社に入ったことがメディアに関わるきっかけとなりました。
「そこでは2年半くらいの間、ひたすらリリースを起こしていました(送られて来るプレスリリースを元にニュース記事を書いていました)。これがタイトルを付けたり、うまくまとめたり、ヤフトピに載るのを狙ったりする良い練習になりました」
その後、鳴海さんは別のメディアから声がかかり転職します。新しい職場ではいろいろなプロフェッショナルにインタビューをするようになったり、記事やサイトの企画をする機会が増え、「より一層考えて」仕事に取り組むようになったそうです。
「一番印象に残っているのはマーク・ザッカーバーグさんに取材させてもらったことですね。すごく若い男の子で、なんかつるんとしている印象(笑) こんな普通の若者があんな巨大なサービスを作ったんだ、とビックリしました」
実はあの"ジェイソン"さんをよく知らずに取材
取材を通じてSNSの盛り上がりを肌で感じた鳴海さんは再び転職します。ライブドア(現在のLINE)では、一般のブロガーの記事を届けるブログメディアである「BLOGOS」やニュースサイト「livedoor NEWS」などを経験し、「読者のために新しいことを」というスタイルで突き進んでいきます。
一方で個人で始めたNAVERまとめでは、ダイエットに関する1つのまとめ記事で3000万PVを記録するなど、大きな話題になりました。その後鳴海さんはダイエットの書籍も発売しています。
「とくに記者としてプロ意識がなく、自己評価が低かったのがよかったのかもしれません。取材能力や執筆能力がありすぎたら、NAVERまとめでも作るか、なんて思わないでしょう。自由な発想の元に『読者が読みたいものはなんだろう』と問う。そんな姿勢を持ち続けたいですね」
その後に始めた個人ブログでも多くの読者を獲得した鳴海さんは、2015年3月にIT企業に勤務する芸人でもあるジェイソンさんにブロガーとして取材しています。そのときの裏話を語ってくれました。
「実はテレビをあまり見ないので、ジェイソンさんを知らなかったんです。あわててYouTubeを見て取材に臨みました。会って話をして行くうちに、ジェイソンさんとダイエットの話題で意気投合して、あのような記事になりました」とのことです。
いままで数多くのインタビューをこなしてきたからこそ、臨機応変に対応できるようです。
会ったことがないPR会社からの情報も取り上げますが、理由があります
そして2015年6月、鳴海さんはログミーへ入社。直前にLINEで担当していたニュースアプリ「LINE NEWS」から、がらっと変わった環境への転職ですが、あまり意識は変わらないとのことです。
「なんというか同じ市内の学校のようなイメージです。今までもずっと『日本のウェブメディア業界』というところで働いてきたと思っています。そんな狭い世界ですから、転職といっても部署移動みたいなものじゃないですかね」
ログミーは新しいタイプのメディアです。講演や記者会見の内容を「カットせずに伝えてほしい」というニーズに応え、ほぼノーカットで長文の記事を届けています。
「いろいろな企業がイベントを開いていると思います。その場だけで終わるのではもったいないと思いますので、音声や動画を送ってもらってどんどん書き起していきたいですね」
昔も今もPR会社や企業の広報担当者からの連絡が多くあるといいます。
「お会いしたことがないPR会社さんから届いたネタも取り上げています。理由は、読者層とマッチしているから。大量にいろいろな媒体にネタをばらまくのではなく、読者に合っているものを持ってきてもらえると取り上げやすいですね」
今はブログは3日に1本くらい、普段はログミーで活躍している鳴海さん。ユニークなイベントなどがあれば、取材のお誘いは歓迎だそうです。