1本のプレスリリースでテレビでの露出にたどりついたベンチャーの話
2015.04.23【 オルタナティブ・ブログ 】
バレンタインが近くなり、企業はバレンタインと絡めた情報発信の準備が進んでいると思われた2月初旬、ある企業のプレスリリースが話題となりました。
特にベンチャー企業の広報の方に役立つヒントがあるのではないかと思い、少し解説したいと思います。
株式会社spice life、「花粉のない沖縄で働きたい」社員の一言から新制度を導入(2015年2月2日)(http://www.dreamnews.jp/press/0000106615/)
こちらが大変な話題となり、ネットのニュース等に掲載された他(ガジェット通信、ねとらぼ等)、アイティメディアヘルスケアでは、同社を追加取材して記事となり、制度のきっかけとなった社員の写真も登場しています。
更には、テレビの夕方のニュース番組でも取り上げられました。
一体、何が良かったのか、考えてみたいと思います。
【ネタが良かった、季節感もありタイムリーだった】
まずはそれがあげられます。丁度花粉が飛び始める季節であり、また多くの企業はバレンタインと絡めた企画を考えていたのか、花粉症ネタはこの時期にほぼ見かけませんでした。そういう意味で、季節感があるうえに「他社との差別化」がはかられていました。
【寒い時期に沖縄という言葉が刺さった】
冬の寒い時期に、暖かい沖縄を思い浮かべるとどうでしょうか?現実とそのギャップもあり、非常に心に残ります。他にも「社員の一言」や、「花粉症」など、「刺さるキーワード」が満載でした。
【シェアボタンでシェアされやすかった、シェアされやすいネットメディアに注目された】
プレスリリース配信サービス(ニュースワイヤーサービス)は記者にネタを届けるというより、ソーシャルでシェアされるための「場」として使われる事が増えています。今回も、リリース配信サービスのページと、複数の著名なネット記事が母艦の役割を果たし、そのシェアボタンがどんどん利用されました。(ニュースワイヤーサービス利用とネット記事でシェアボタン設置の核となる場を用意)
【ネットでウケるタイトルにした】
通常プレスリリースのセオリー通りに書くとすれば、新制度であるリモートライフ制度がタイトルに来るはずです。でもそれではピンと来ません。敢えてネットでウケるようなタイトルを持ってきています。
【ストーリーを重視した】
何事にもストーリー(物語性、逸話:anecdote)が大事になっていると言います。このあたりは著名な欧米系のPR会社でも言われています。このリリースには新制度ができるまでの物語が入っていました。単に新制度が出来た、だけではストーリーがないので、ここまで刺さらないはずです。
【今話題のカテゴリーにもかかわらず目新しさがあった】
今、働き方についてというのが世間の大きな関心事となっています。あちこちでイクメンや働く女性、在宅ワークに関する記事を目にします。今回の内容は、その「働き方」に関係したカテゴリーでありながらも、「イクメン」「女性」とは異なるキーワードだったので目新しさがありました。
私が感じたのは上記のようなことでした。そして敢えて文章の巧拙は露出には関係ないのだなと思いました(すみません)とにかくうまい文章を書こうと技巧に走る人もいますが、荒削りでもいいのですよね。
ある記者の方からも以前言われたのですが「文章はプロである自分たちが書くので、その素材をタイムリーにもらえたらそれでいいんです。文面にこだわりすぎてタイミングを逃したプレスリリースは役立ちません」という言葉が思い出されます。
せっかくなので、当の吉川さんに面識があるため、Facebookのメッセンジャーで突撃取材をさせてもらいました。
『プレスリリース配信サービスのプレスリリースがソーシャルメディアで拡散し、さらに他メディアで取り上げていただき、さらに他メディアがそれを見るという連鎖でテレビ放映まで繋がった、という感触です。』
とのことでした。吉川さんご多忙にも関わらずコメントをありがとうございました。
情報拡散の仕組みが変容しつつある中、企業広報の活動も大きく変革する時期に来ています。このような活動は参考になるのではないでしょうか?
※オルタナティブ・ブログ 2015/2/13より、掲載時のまま転載しています。
特にベンチャー企業の広報の方に役立つヒントがあるのではないかと思い、少し解説したいと思います。
株式会社spice life、「花粉のない沖縄で働きたい」社員の一言から新制度を導入(2015年2月2日)(http://www.dreamnews.jp/press/0000106615/)
こちらが大変な話題となり、ネットのニュース等に掲載された他(ガジェット通信、ねとらぼ等)、アイティメディアヘルスケアでは、同社を追加取材して記事となり、制度のきっかけとなった社員の写真も登場しています。
更には、テレビの夕方のニュース番組でも取り上げられました。
一体、何が良かったのか、考えてみたいと思います。
【ネタが良かった、季節感もありタイムリーだった】
まずはそれがあげられます。丁度花粉が飛び始める季節であり、また多くの企業はバレンタインと絡めた企画を考えていたのか、花粉症ネタはこの時期にほぼ見かけませんでした。そういう意味で、季節感があるうえに「他社との差別化」がはかられていました。
【寒い時期に沖縄という言葉が刺さった】
冬の寒い時期に、暖かい沖縄を思い浮かべるとどうでしょうか?現実とそのギャップもあり、非常に心に残ります。他にも「社員の一言」や、「花粉症」など、「刺さるキーワード」が満載でした。
【シェアボタンでシェアされやすかった、シェアされやすいネットメディアに注目された】
プレスリリース配信サービス(ニュースワイヤーサービス)は記者にネタを届けるというより、ソーシャルでシェアされるための「場」として使われる事が増えています。今回も、リリース配信サービスのページと、複数の著名なネット記事が母艦の役割を果たし、そのシェアボタンがどんどん利用されました。(ニュースワイヤーサービス利用とネット記事でシェアボタン設置の核となる場を用意)
【ネットでウケるタイトルにした】
通常プレスリリースのセオリー通りに書くとすれば、新制度であるリモートライフ制度がタイトルに来るはずです。でもそれではピンと来ません。敢えてネットでウケるようなタイトルを持ってきています。
【ストーリーを重視した】
何事にもストーリー(物語性、逸話:anecdote)が大事になっていると言います。このあたりは著名な欧米系のPR会社でも言われています。このリリースには新制度ができるまでの物語が入っていました。単に新制度が出来た、だけではストーリーがないので、ここまで刺さらないはずです。
【今話題のカテゴリーにもかかわらず目新しさがあった】
今、働き方についてというのが世間の大きな関心事となっています。あちこちでイクメンや働く女性、在宅ワークに関する記事を目にします。今回の内容は、その「働き方」に関係したカテゴリーでありながらも、「イクメン」「女性」とは異なるキーワードだったので目新しさがありました。
私が感じたのは上記のようなことでした。そして敢えて文章の巧拙は露出には関係ないのだなと思いました(すみません)とにかくうまい文章を書こうと技巧に走る人もいますが、荒削りでもいいのですよね。
ある記者の方からも以前言われたのですが「文章はプロである自分たちが書くので、その素材をタイムリーにもらえたらそれでいいんです。文面にこだわりすぎてタイミングを逃したプレスリリースは役立ちません」という言葉が思い出されます。
せっかくなので、当の吉川さんに面識があるため、Facebookのメッセンジャーで突撃取材をさせてもらいました。
『プレスリリース配信サービスのプレスリリースがソーシャルメディアで拡散し、さらに他メディアで取り上げていただき、さらに他メディアがそれを見るという連鎖でテレビ放映まで繋がった、という感触です。』
とのことでした。吉川さんご多忙にも関わらずコメントをありがとうございました。
情報拡散の仕組みが変容しつつある中、企業広報の活動も大きく変革する時期に来ています。このような活動は参考になるのではないでしょうか?
※オルタナティブ・ブログ 2015/2/13より、掲載時のまま転載しています。